ヘドブログ

ヘドゲインくんのQ極Z対オルタナティヴ育児日記

暖冬

公園のベンチで缶コーヒーを飲みながら、イヤホンで戸張大輔の『ギター』を聴いて、ボケ〜〜っとしていた。 ナイス、暖冬。

誰かが俺に声を掛けてる気がしたのでイヤホンを外して確認すると、80歳くらいの婆さんだった。まったく気づかなかったけど、ひとつとなりのベンチにずっといらっしゃったようだ。

「すみませんが 今何時か教えてもらえますか」と聞いてきたので、スマホをチラ見し「3時15分ですよ」と教えてあげた。あちゃー みたいな顔をしていた。何かに間に合わなかったようだ。

で、そんな婆さん、俺に負けじとヒマになられたようで、やたら話しかけてくださる。 最終的にはベンチに座ってる俺の真ん前にてバロテッリよろしくな仁王立ちになって喋ってらした。

ふっふっふ、ただ 婆さんラッキーだな。あいにく俺はお年寄り(と、あと子供)と話するのが好きなんだ。

婆さんは、仲良しだった姉に先立たれ、今はアパートで独りぼっちなんだと、突然ヘヴィな身の上話を語り出された。

結婚もしなかったが故、子も孫もいない。時々、さみしくて涙が出るんだと喋りながら、実際に落涙してらした。あと、たくさん仕事をしてきた人生だったともおっしゃっていた。

公園の遊具で遊ぶ子供達を見て、自分の人生にもあんな子供がいたら、孫がいたら… と悲しくなってくるんだそう。  

俺のような若輩者に人生の大先輩たる方が、なんてヘヴィな告白をするんだ…と、正直なところ、ちょっと顔を引きつらせてしまったが、なぜか俺なりの意見や考えがどんどん出てきてしまった。それが結果的に婆さんにとっては励ましにも聞こえたようで、なぜか感謝されてしまった。

俺は俺で、今、悩んでいることを婆さんに聞いてもらった。日々、不安で苦しい という事を赤の他人に深く語り倒してしまった。赤の他人だからこそなのかな? いや、その婆さんだからこそだろう。とにかく俺も半泣きになっていた。

ここから婆さんが突然、宗教の勧誘なんかを始めたら実にこのブログらしい笑えるオチなんだけどな(笑)。そんな事はなく、ふつうに友達になったよ。

日も暮れ始め、寒くなってきたので「ぼくもこの公園でよくボケ〜っとしてるんです。背が高くて目につきやすいはずですから、もしまた見かけたら声かけて下さい」

と、伝え帰路についた。*1

薄っぺらいバカや、何考えてんのか分からん気持ち悪いヤツや、ただシンプルに面白くない退屈なヤツラばかりと接する日々にウンザリしてた矢先、人間らしい人間と心のある会話ができて、実に有意義であった。

*1:ベンチから立ち上がった俺が想像を絶する高身長だった為に驚愕しておられた