倉垣とボヨ
▼俺の数少ない友人の中に倉垣という男がいる。
彼とは小学校の低学年の頃からの付き合いなんだけど、そんな彼が、たしか小学3年の頃だったかな、4時間目の授業を終えた休憩時間に おもむろにポケットから出した「ドラゴンボールZ」のハンカチが、それはそれはもう、モロにバッタもんだったんだよね。…ん?バッタもん?いや、なんだろう?バッタもんでは無いな…だって一応、ドラゴンボールZの絵がプリントされてたもんな。でも、「絶対にそれ鳥山明の許可取ってねえだろ!!」っていう、なんか、変な絵だったんだよ。悟空とかピッコロの顔が絶妙に作画崩壊してて、カラーリングも変だったと記憶している。うん、やっぱバッタもんだわ。
当時の俺ってば、それ見て大爆笑よ。持ち主の倉垣も休憩時間をフルに使って抱腹絶倒してたもんね。今にして思えばヤバい2人組だよな。みんなドッジボールしたりして遊んでんのに 俺たちはハンカチ見ながら40分ぐらい笑い続けてんだもん。
…今もそうなんだけどさ、俺ってば、子供の頃から なんかそういう絶妙な偽物商品にツボっちゃうんだよね。だから、前に話題になった中国の「石景山遊楽園(通称パクリ遊園地)」なんて、俺からすりゃUSJの数万倍、行きたい場所だもんな。てゆーか中国のコピー商品は総じてオモロい。
そして、その倉垣くんのドラゴンボールZハンカチに勝るとも劣らない逸品を持っていたのが、俺のもう一人の友人であるボヨくんだ。
ボヨくんとは小6の頃に仲良くなったんだけど、当時の彼が着ていた「ドナルドダックのTシャツ」が衝撃的だったのである。正直な話、まがい物度数(?)で言えば倉垣くんのハンカチのほうが上なんだけど、ボヨくんの着ていたそのドナルドダックのTシャツは、まがい物が故の質の悪さがすばらしかったのである。超粗悪。ズバリ言っちゃうとね、もうね、プリントがボロボロなの。「お前、そのTシャツ たった一回の洗濯にも耐えられてねぇじゃねえか!」ってな具合にドナルドダックのプリントがボロボロなの。
しかもね、ミラクルなのが、そのボロボロ効果の所為で、ドナルドダックの顔 っつーか表情が、とてつもなく、ヤバい感じになってんの。もうね、こればっかりは説明のしようがないわ。表情がね、ヤクで逝きそうになってるクソ野郎みたいになってんの。それこそまさに絶妙よ。奇跡的な状況になってんの。そしてそんなヤバいブツに友人が袖を通して登校しちゃってるという事実がまた面白いワケよ。
俺、ボヨ君に「お前、そのドナルドダック 今が一番おもろいから もう二度と洗濯すんなや!」とかムチャ言ってたもんな(笑)。だって もう一回ぐらい洗濯機で回せば無地のTシャツになってんじゃねえか と思うぐらいのプリント強度の無さだったもんね。
んーーー〜〜〜 歯がゆいなぁ。『倉垣のドラゴンボールZハンカチ』と『ボヨのドナルドダックT』の笑撃っぷりを、皆に伝えるボキャブラリーを俺は持ち合わせてねえもん。いや、あれだきゃあ現物を見ねえと伝わらないもんがあるね。
ちなみに、2つとも既に処分されてこの世から無くなっているという事実を、当の本人達から聞いたのが十数年前。
ああもう!なんで捨てちゃうんだよ。ひとつ5万で買ったのにぃ(つまり合計10万払うって事)。
・・・・・深夜3:40になんでこんな記事を書いたのか自分でも分からん。でも、たまにこうして遠い昔の思い出話を書くのも悪くないかな。子供の頃の面白い話はいっぱいあるんだよ。 さて次回は大浦(友人)の話か、タイラ(友人)の話か
… To be continued